Dec 03, 2024
最新調査「We Know Experiences – つながる生活者」発表
CATEGORY : THOUGHT LEADERSHIP
当社より、グローバル・リサーチ・シリーズの最新版「We Know Experiences – つながる生活者」の日本語版を発表しました。
グローバル・エクスペリエンシャル・エージェンシーのモメンタム ワールドワイドでは、10年以上にわたって追跡調査を行い、「エクスペリエンス(体験)」の視点から生活者の変化を観察・分析しています。その3回目に当たる今回、激動の5年間で今まで以上に変化した生活者の「つながりニーズ」に着目しました。
■We Know Experiencesについて
目的:エクスペリエンス領域における生活者の意識を知る
調査期間: 2023/09 & 2024/04
調査対象のマーケット: 米国・イギリス・カナダ・スペイン・日本
有効回答数: 3000 + サンプル
調査対象: 18-65歳 男女
調査方法: 定量・定性調査
エクスペリエンスに「つながり」を求めて
5年前の前回の調査では、生活者の行動や態度は喜びに溢れ、未来への期待に満ちていました。ところが、その後に起きたパンデミック、政情不安、気候変動、経済の不安定化などの世界の変化とともに、私たち一人ひとりの意識や態度も変化していきました。
外出制限やオンライン行動で交流が狭められたことで、一緒にいること、瞬間を生きることの大切さが再確認されました。5年前、生活者はテクノロジーの進化が人々のつながりをさらに深めると思っていましたが、今はテクノロジーによって人との深いつながりが失われることを危惧し、テクノロジーに頼らない直接的なつながりを求めるようになってきました。また、多くの人に「いいね」をもらうより、誰かと共感し分かち合えるような、「つながりを生み出す体験」のニーズが高まっています。
「つながり」の新しいカタチ
さらに調査を進めると、生活者が体験に「つながり」を求める一方で、その「つながり方」や「つながりがもつ意味」も意識していることがわかりました。今までと違う「つながり」のポイントとは?
- つながりのジレンマ / The Connection Paradox
生活者は人とのつながりを欲しながら、一人の時間も大切にしたい、というジレンマを抱えています。だからこそ、以前よりも一つひとつのつながりに意味を求め、つながるための手段もソーシャルメディアではなく、「意味のあるつながり」が作れる新しいスペースを求めています。生活者がつながるためのメディアは、情報提供から空間共有へ、一方向から双方向へ。目的を共有しながらも個々の時間を楽しめる、ゆるやかな場づくりがカギとなりそうです。
- 平行遊び / Parallel Play
平行遊びとは、幼児期に見られる、同じ場所にいてもあまり関わりを持たずにそれぞれが違うことをする遊び方。ただ、その中でも遊び方を真似したり安心感を得たりして楽しんでいます。今の生活者にも同様の傾向が見られ、例えばイベントにソロで参加して周りに直接的な知り合いがいない状況でも、そこにいる同じ関心や目的を持つ見知らぬ人たちとの間に「つながり」を感じています。同じアーティストが好きでない人と一緒にライブに行くよりも一人で行くほうを選ぶ、などもよい例です。
- すべての人に公平な体験機会 / Inclusive Experiences
どんなに画期的で素晴らしいイベントでも、体験できるのは選ばれた人たちだけという場合、ブランドのイメージは低下しがちです。調査でも、生活者はインクルーシブな活動をするブランドを評価しています。簡単ではありませんが、人種、性別、収入、身体的・精神的能力に関係なく、すべての人に同じ体験を楽しむ機会が与えられることが求められています。
- 体験における新たなアイデンティティ / New Experience Identities
今回の調査を通して、当社は生活者を「Loner」「Simplifier」「Adapter」「Searcher」「Activist」「Creator」「Hustler」「Connector」という8つのペルソナに分類し、それぞれのペルソナの特性に合わせてどのような体験を提供すべきかを分析しました。生活者に寄り添った最適なエクスペリエンスをデザインしていくにあたり、この8つのペルソナは重要な役割を担います。
生活者はこれまで以上に感情的で意味のあるつながりを求めています。変わりゆく生活者とのつながりを築くためには、ブランドもこれまでとは異なるアプローチを行う必要があります。より詳しい調査報告、8つのペルソナの特性を活かしたエクスペリエンスのご提案をご希望の方はこちらよりお問い合わせください。