消費者体験の近未来へ
現実世界とデジタルを融合し、新たな消費者体験を生み出すイノベーション・プラットフォーム。
PHYGITAL EXPERIENCE Labとは
モメンタムワールドワイドは、『PHYGITAL』(PhysicalとDigitalを合わせた造語)をコンセプトに、2008年から「日常」に「デジタル」を融合させた数々のブランド体験を北米で提供してまいりました。デジタルによって拡張された「現実」体験とクライントのブランドを結び付け、強固なブランディングに貢献しています。
2017年、重要拠点である日本においても同様のサービスを加速させるため、国内外の先端テクノロジー企業と共創・協業する社内外横断型プラットフォームを日本国内に立ち上げました。生活者の情報源の多様化、消費者とブランドの関係の急速な変化、これまでにない技術革新に対応し、ブランディングや購買のための新たな消費者体験を開発し、提供してまいります。
取り組みについて
先進的な技術をベースにしたクリエイティブとマーケティングの開発展開を目的としています。そのために、業界に先駆けてイノベーションを起こしたいブランドと、先端テクノロジー企業やソリューション開発企業のマッチングをコーディネイトし、概念実証(PoC)などの取り組みを通じて、革新的なコミュニケーションプラットフォームやツールの開発、導入、運営までのサポートを行います。
事例:ゴジラ・ナイト(Microsoft HoloLens on Azure)
Mixed Reality(複合現実/MR)を実現する「Microsoft HoloLens」を初めて屋外で活用したMRプロジェクト。「Microsoft Azure」のAIと「Microsoft HoloLens」で等身大118.5mのゴジラを日比谷に出現させ、役者の演技と組み合わせて「リアルな環境で映画の世界観」を再現。
屋外でのMRの難しさは、時間によって変化する明るさや天候。これらに合わせて映像を変化させる必要があるため、映像制作や提示映像のコントロールが問題となります。今回はこれらを一気に解決することで、かつてない没入感ある屋外MRを実現しました。
事例:日比谷 近未来ショッピング(IoT×Microsoft Azure)
日比谷シャンテのリニューアル・オープンのためにIoTと「Microsoft Azure」のAI機能を使った新しい来館客サービスを開発・提供したプロジェクト。また収集されたサービス利用客の属性データや利用状況のデータを分析。今まで想定していたお客様の属性との差異や、店舗運営に活用できるマーケティングデータを得る事にも成功しました。
① シャンテ シネマヴィジョン
デジタルサイネージの前に立ったお客様の顔をカメラで認識し、年齢、性別、表情などをAIが分析。映画のターゲットに相応しい来館客に近日公開予定の映画の予告編を放映・案内します。
② 飲食店空席案内サービス
館内の飲食店の待合イスに圧感センサーを取り付け「Microsoft Azure」でデータを一括管理。飲食店の空席状況を各フロアのデジタルサイネージでリアルタイムに案内し、来館客の便宜を図るサービス。
北米モメンタムの事例:Verizon — Virtual Gridiron
二人のNFLファンがリアルタイムで対戦できる世界で初めてのVRアメリカンフットボール・ゲーム。ファンは過去に実際に行われたプレイからシナリオをひとつ選び、3つのダウンに対して防衛または攻撃として参加することができます。
現在の注力プロジェクトについて
xR Project
AR、VR、MRなどのxRを活用し、主にイベント、ショッピング領域での消費者に向けた新たな体験の創造とコミュニケーション設計・開発することを目的として、ビジネスプロデュース、コンテンツプラニング、コンテンツ開発、プラットフォーム開発、プロセス及びツール開発を行っています。
Retail Project
小売、外食企業などに先端テクノロジーを活用し、消費者に新たな体験の創造とコミュニケーション設計・開発することを目的として、ビジネスプロデュース、コンテンツプラニング、コンテンツ開発、プラットフォーム開発、プロセス及びツール開発を行っていきます。
ラボ創設の背景:3つの変化への対応を見据えて
01:多様化するデバイスにより起こる体験の変化
米国では消費者の利用するデバイスがPCからモバイルにシフトし、ブランド広告は「モバイルファースト」から「モバイルオンリー」へシフトする流れが来ています。日本でも同様にブランド・コミュニケーションの中心的なタッチポイントがモバイルになりつつあります。一方、新たなデバイスとコンテンツも台頭しようとしています。Apple Watch※1に代表されるウェアラブルデバイス、Amazon Echo※2に代表される音声アシストデバイスなどの環境知能(Ambient intelligence)、バーチャル体験が可能なAR、VR、MRなどです。これら新たなデバイスとコンテンツによって、これまでにない消費者体験が提供され始めようとしています。当然ブランド・コミュニケーションのあり方もこの変化に合わせ、今後大きく変わると想定されます。
※1 Apple Watchは、米国および他の国々で登録されたApple Inc.の商標です
※2 Amazon Echoは、米国 Amazon.com Inc.の登録商標です:日本未発売 (2017年5月時点)
02:加速するマーケティング・コミュニケーションの変化
技術革新によりセンサー、通信モジュール、ネットワーク、クラウドなどが高速・高機能となり、かつ価格が継続的に低廉化しています。この変化はIoTによってネットワークに繋がった生活を拡大させ、消費者が日々得られる体験にも大きな変化を起こすと予想されます。同時にブランドは消費者の行動データを今までになかった豊富さで蓄積することができるようになります。これらのデータを活用することで、マーケティング・コミュニケーション、ひいては事業自体にも変化を起こすことが可能となります。その反面、競争原理にも大きな変化をもたらすと考えられ、もはやフィジカルとデジタルを分離した発想や組織では解決できない新たなステージとなります。そのためブランドもサポートする企業も確実な変革が必要になると考えられます。
03:エコシステムによる課題解決、リミキシングによる事業強化への変化
多くの新しいコミュニケーションプラットフォーム、マーケティングツールが、大手、スタートアップ問わず様々な企業のイノベーションによって提供されています。今後はフィジカル領域のデジタル化がますます進み、同領域での新たなプラットフォーム、ツールの提供が増加すると予想されます。反面、一つの企業や一つのツールで事業側のニーズに対応したり、スクラッチで開発することは予算、期間ともにハードルが高いのが現状です。そのため複数の企業・人・技術が共存共栄するエコシステムでの課題解決やサポートが今後も必須であると考えられます。さらにはブランドの持つ事業を魅力的に変革させる技術、コンテンツを融合させるリミキシングによる変化も起こると考えられます。